将来を見据えた“ユニバーサルデザイン”リフォームとは?
宇治市・城陽市・京田辺市を中心に、注文住宅やリノベーション・リフォームを手掛ける工務店スタッツリビングカンパニーです。
リフォームを検討する際、今の暮らしを快適にすることだけに目が向きがちですが、
実は「これからの暮らし」を見据えたリフォームこそが、本当の意味での“快適さ”を生むリフォームです。
年齢を重ねても、家族構成が変わっても、誰もが安心して暮らせる家づくり。
その考え方を実現するのが「ユニバーサルデザインリフォーム」です。
この記事では、バリアフリーとの違いから実際の工夫ポイント、費用の目安まで、将来を見据えた住まいづくりのヒントを詳しくご紹介します。
目次
「ユニバーサルデザイン」とは?
すべての人に“やさしい家”を目指す考え方
ユニバーサルデザインとは、「年齢・性別・身体能力の差に関係なく、すべての人が使いやすいように設計されたデザイン」のこと。
つまり、“誰かのため”ではなく、“みんなのため”のデザインです。
高齢者や障がいのある方だけでなく、子どもや妊婦さん、一時的にケガをしている人など、
どんな人でも安心して暮らせる住まいを目指します。

バリアフリーとの違い
よく似た言葉に「バリアフリー」がありますが、考え方に違いがあります。
項目 | バリアフリー | ユニバーサルデザイン |
---|---|---|
対象 | 高齢者や障がいのある人など、特定の人向け | 年齢・体格・能力を問わず全員 |
主な目的 | 障害(バリア)を取り除く | はじめから誰でも使いやすい設計にする |
タイミング | 既存住宅に後付けで対応 | 新築・リフォーム時に最初から設計に組み込む |
バリアフリーが「困ったときに直す」考え方なのに対し、
ユニバーサルデザインは「困らないように備える」設計思想です。
ユニバーサルデザインリフォームが注目される理由
1. 高齢化社会への備え
日本では65歳以上の高齢者が全人口の約3割を占める時代に。
「子どもが独立した後も、できるだけ自宅で過ごしたい」という声が増えています。
将来の介助や車いす利用を想定して、段差を減らす・動線を広く取る・手すりをつけるといった配慮を先にしておくことで、
後からの工事を減らすことができます。
2. 家族構成やライフスタイルの変化に対応できる
子どもが成長し、独立し、夫婦二人の暮らしに戻る。
あるいは親世代との同居を始める。
人生の中で住まいの使い方は何度も変わります。
ユニバーサルデザインリフォームは、「将来どんな暮らしになっても快適に過ごせる柔軟さ」を重視します。
3. 住まいの資産価値を高める
段差が少なく、使いやすい間取りの家は、中古住宅としても人気が高まっています。
特に近年では、「安心・安全・長く住める家」が購入検討時の大きなポイントに。
リフォームの段階でユニバーサルデザインを取り入れておくと、
将来的に売却や賃貸に出す場合にも資産価値を保ちやすくなります。

ユニバーサルデザインリフォームの具体的なポイント
1. 玄関とアプローチ
- 段差をなくし、スロープや手すりを設置
- 雨の日でも滑りにくい床材に変更
- 夜間でも足元が見えるセンサー照明
→ 高齢者だけでなく、ベビーカーや荷物を持つ人にも便利。
2. 廊下・動線
- 廊下幅は80cm以上が目安(車いす対応なら1m以上)
- 扉は引き戸を採用し、軽い力で開閉できるように
- 照明スイッチは腰の高さ(約1m)に設置
→ 将来の介助や車いす移動にも配慮した設計に。
3. トイレ・洗面・浴室
- トイレの入口幅を広げ、手すり付きの便座を採用
- 洗面台は椅子に座って使える高さに
- 浴室は段差をなくし、浴槽のまたぎ高さを低く
- 浴室乾燥や暖房機能を追加して、冬のヒートショック対策も
→ 家族全員が安心して使える“安全性と快適性”を両立。
4. キッチン
- 高さを調整できる昇降式カウンター
- コンロ前のガラスパネルで安全性を確保
- 引き出し収納で無理のない姿勢で作業できるように
→ 子育て世代にも、老後の暮らしにも役立つ設計です。
5. 断熱・換気の見直し
高齢者の事故原因の一つに「室温差」があります。
断熱リフォームや換気計画を見直すことで、
どの部屋にいても温度差が少ない、健康的な住環境をつくることができます。
スタッツリビングカンパニーでは、通気断熱WB工法のように自然の力で湿気を逃がし、
空気の質を保つ家づくりにも対応しています。
リフォーム費用の目安
リフォーム内容によって費用は異なりますが、一般的な目安は次の通りです。
工事内容 | 費用目安 |
---|---|
手すり設置(玄関・廊下・トイレなど) | 3〜10万円 |
出入口の段差解消・スロープ設置 | 10〜30万円 |
引き戸への交換(1か所) | 8〜15万円 |
浴室のバリアフリー改修 | 80〜150万円 |
断熱・換気の見直し | 50〜120万円 |
※同時に複数箇所を施工する場合は、解体・大工工事の効率化でコストを抑えられることもあります。
補助金制度を活用する
ユニバーサルデザインリフォームは、国や自治体の補助制度の対象になる場合があります。
- 【国交省】住宅省エネ2025キャンペーン(断熱改修・高効率給湯器など)
- 【厚労省】介護保険による住宅改修費支給(上限20万円)
- 【自治体】介護予防安心住まい推進事業(宇治市・城陽市でも実施)
補助金の対象や申請手続きは工事前に行う必要があるため、
早めに工務店へ相談することが重要です。
将来を見据えた設計の考え方
- 「いつか必要になる」よりも「今から整えておく」
- 「特別な家」ではなく「自然に使いやすい家」を目指す
- 「見た目」も重視し、機能とデザインを両立
最近では、手すりやスロープもデザイン性の高い製品が増え、
ナチュラルなインテリアやシンプルモダンな空間にもなじみます。

家族構成別に考える“将来を見据えたリフォーム”
子育て期におすすめのポイント
ユニバーサルデザインは、高齢者のためのものと思われがちですが、
実は小さなお子さんがいる家庭ほどメリットが大きいのが特徴です。
たとえば、
- 段差のないリビングは子どもの転倒を防ぎやすい
- 引き戸なら指を挟みにくく安全
- 手すりは子どもの成長期にも“つかまる安心”として役立つ
また、将来はそのまま高齢期の安全性にもつながるため、
「子どもにも、大人にもやさしい設計」=長く住める家になります。
親世代との同居を見据える場合
二世帯同居を予定している場合は、
「親世帯」「子世帯」双方の生活動線を干渉させない間取り設計がポイントです。
- トイレや洗面台を各階に設ける
- 上下階で温度差が出ないように断熱改修を行う
- 廊下幅や出入口は、将来の車いす利用も想定して広めに
ユニバーサルデザインリフォームの良い点は、
同居のタイミングを選ばずに対応できる柔軟性にあります。
「いずれ一緒に暮らすかもしれない」という段階から準備しておくことで、
家族構成の変化にもスムーズに対応できます。
現場でよくある“見落としポイント”
ユニバーサルデザインを取り入れる際、設計図だけでは気づきにくい細部があります。
実際に現場を知る大工や工務店だからこそ、見えてくるポイントをご紹介します。
1. 照明スイッチやコンセントの高さ
多くの家では「スイッチが高すぎる」「コンセントが低すぎて使いづらい」といった問題があります。
車いすの方や、腰を痛めた高齢者でも操作しやすいよう、床から90〜110cm前後の高さに設置するのが理想です。
2. ドアの取っ手やノブの形状
ドアノブを「レバー式」に変えるだけでも、握力が弱くなっても開閉がしやすくなります。
小さな工事ですが、毎日の使い勝手が大きく変わるポイントです。
3. 床材の選び方
滑りにくいフローリング材や、クッション性のある床材を選ぶと、
転倒時のケガを防ぐ効果があります。
また、車いすのタイヤ跡がつきにくい素材を選ぶと長持ちします。
4. 家の“内外温度差”への配慮
ヒートショック対策として、浴室・脱衣所・廊下などの温度ムラをなくすリフォームも重要です。
断熱リフォームや換気システムの改善は、健康面にも直結します。

工務店に相談する際のチェックリスト
ユニバーサルデザインリフォームを成功させるには、
“見た目の便利さ”よりも、“実際の使いやすさ”を重視した提案が大切です。
以下のポイントを打ち合わせ時に確認しておきましょう。
①家族の今と将来の暮らし方を伝える
②間取りだけでなく、動線と家具配置も含めて提案してもらう
③デザイン性と機能性を両立できる素材・設備を選ぶ
④補助金や減税制度の活用方法を相談する
⑤工事後のメンテナンス・保証内容も確認する
ユニバーサルデザイン × 自然素材の相性
スタッツリビングカンパニーでは、ユニバーサルデザインとあわせて、
自然素材の快適さを取り入れるリフォームも行っています。
珪藻土の塗り壁や無垢フローリングは、
見た目のやさしさだけでなく、足ざわり・調湿性・断熱性にも優れています。
自然素材は、化学物質に敏感な小さなお子さんや高齢者にも安心。
「誰にでもやさしい家」というユニバーサルデザインの考え方と、
とても相性が良い素材です。
これからの住まいに求められること
これからの時代、家づくりのキーワードは「快適」よりも「継続的に快適」。
リフォームは“今の困りごと”を解決するだけでなく、
10年後・20年後を見据えた住まい方のアップデートでもあります。
ユニバーサルデザインリフォームは、
そんな“長く暮らせる家”を叶えるための第一歩です。
まとめ
ユニバーサルデザインリフォームは、
「いずれ必要になる」ではなく、「今から整える」リフォーム。
段差をなくす、動線を広げる、照明を工夫する。
それらの一つひとつが、将来の安心と暮らしの質を高めます。
スタッツリビングカンパニーでは、
現場を熟知した大工棟梁社長が、ご家族の将来像を伺いながら、
無理なく・自然に取り入れられるユニバーサルデザインリフォームをご提案しています。
「まだ元気だから必要ないかも」と思う今こそ、
暮らしを整えるベストタイミングかもしれません。
ぜひ一度、お気軽にご相談ください。